【書評】サンキュータツオ『ヘンな論文』~論文のイメージが変わる!~

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【書評】サンキュータツオ『ヘンな論文』~論文のイメージが変わる!~

レポート大嫌いだったけど、この本を読んでちょっとモチベーションが変わりました。

なちょ。(@N_Create_Me)です!

 

今回紹介する本は、なんと論文についての本。

私が個人的にお気に入りの文化人類学の先生がレポートを書くにあたっておすすめしていた本です。

タイトルはズバリ、『ヘンな論文』です!

 

著者のサンキュータツオってどんな人?

この本の著者はサンキュータツオさん。

なんとこの人オフィス北野で「米粒写経」というコンビで活動する芸人でありながら、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。現在は大学の非常勤講師を務めるなんかめっちゃすごい人なのです!

「早稲田大学…」と漢字がめちゃくちゃつながってますが、どうやら日本語学者のようです。

その活躍は幅広く、新聞や雑誌の連載・FM・TBSラジオ・ポッドキャストなどでコラムやニュースなどを発信しています。

サンキュータツオさんのブログ→http://39tatsuo.jugem.jp/

サンキュータツオさんのTwitter→https://twitter.com/39tatsuo

 

作品概要

研究は長らく「人」に焦点を当ててこなかった。この本ではなるべく、論文の内容だけではなく、それを書いた人がいて、その人もみなさんと同じ人間なんだ、ということをリアルに感じ取ってもらいたいということを意識して書いた。

さて、この『ヘンな論文』の内容はというと、簡単にいうとサンキュータツオさんが「なにこれ、面白い!」と思った論文を紹介しているというもの。

論文、というとなんか難しい、ちゃんとした文章って感じ。

自分の感想は書かない、とか。

あるいは、何かを証明したり、発見したり。

私たちにはわからないけど、賢い人たちの世界では認められていて・・・みたいな。

でもそれはどうやら私たちが論文にあまりにも触れないために抱いているイメージに過ぎないみたい。

この本では論文の内容をサンキュータツオさんが私たちにもわかる言葉で説明してくれて、その研究のすごいところを紹介するとともに、論文の著者にも焦点を当てます。

焦点を当てるというか、もう、ファンになってますwww

「あれ、論文ってけっこう面白い?」「ちょっと読んでみたいかも笑」

読後はきっとそう思います笑

私が個人的に気になった論文をサンキュータツオさんの文章を引用しつつ紹介しますね!

 

個人的に印象に残った論文

「コーヒーカップとスプーンの接触音の音程変化」

目の前で起こっている現象と、その原因を特定していく作業。それは、ボケにツッコミを入れていく作業に似ている。ここが間違っているのではないか、この原因じゃないとしたら、こっちなのではないか、などと、「おかしいと思うこと」に「これが原因じゃないか」とツッコミを入れていく。そして、いろいろな可能性を、1つずつつぶしていき、1つの結論にたどりつく。

この論文の著者は高校で物理を教えているしている塚本浩司先生という方です。

先生はある日、教え子のOさんという女子生徒から「コーヒーカップにインスタントコーヒーの粉末を入れ、お湯を入れてスプーンでかき混ぜると、スプーンとコップのぶつかる音が、徐々に高くなっていく」ということを聞き、本当にそうなのか調べ始めます。

先生はまず、自分で実際にインスタントコーヒーを淹れて音をPCで読み込み、実際に音が高くなっていくことを確認。

その後「お湯だけ」「インスタントココア」「ティーバッグ」「砂糖」「塩」「入浴剤」など様々なものをかき混ぜて、音が高くなる原因を突き止めていきます。

その原因は・・・本を読んでみてください♡笑

 

私が「おぉ・・・!」となったのは結論が出た後の話。

なんと1996年にカリフォルニア大学の3人の研究者が同じ内容を研究した論文があったんです!!!!

そして3人も先生と同じ実験方法で同じ結論にたどりついていたのです!

……国も時代も違う人どうしが、1つの真理のために、同一の手続きを経て真理に至っているのである。<中略>数十年後に、異国の先生と学生が、彼らの足跡をたどるとも知らずに……。

うおおおおおお!!!!

なんだこのロマンは・・・!!!!

論文って時代超えるのか!!すげえ!!!!

・・・ってなりません?笑

夏休みの自由研究、当時は”こなすもの”だったけど、もっとちゃんとやればよかったなぁ。

私も昔の頭いいひとと同じことできたかもしれないのに・・・。

 

「湯たんぽの形態成立とその変化に関する考察Ⅰ」

いろんなマニアがいる骨董業界でも、「湯たんぽ」を集めている人はなかなかいないらしく、いないということは体系化されていないので、ジャンル自体を俯瞰してみることができる人もいない。そこにこの「湯たんぽ」研究の伊藤先生が登場した。地方の骨董屋が「妙に口の小さい花瓶」と分類していたものなどを「これは湯たんぽです!」と特定するなど、全国から収集した湯たんぽコレクションをこの論文では披露している。まさにマニアの自慢的な側面も兼ね備えている論文なのだ。

この論文はとにかく湯たんぽについて書かれた論文。

著者の伊藤先生は地方に出かけた先で立ち寄った古道具屋で湯たんぽと出会い、そこからどんどん湯たんぽを収集し、湯たんぽの歴史についての謎を紐解いていきます。

論文タイトルが「~に関する考察Ⅰ」となっていることからわかるように、この論文には続きがあり、なんと第5弾まで発表されているんです!!

ところが・・・

研究だけを切り取ってみても、10年以上、しかしその研究に至るまでを考えれば、半生をかけて調査したものといっても過言ではないものを、コピペして我が物にしてしまう人がいる。数十年を、数分で我が物にできてしまう。それが、ルールを知らない人たちなのである。

約10年の歳月を要したこの論文。

なんとこれがとある自治体の主催する展覧会で無断引用されてしまいます。

大学生のレポートでコピペが問題になってたりしますが、失礼ながら、この本を読むまでコピペという行為そのものを軽く考えていました。

この本を読んだことで、世の中には私がレポートを書くのとは比べ物にならないすごい情熱で研究をして、正しい方法で論文にまとめて後世に伝えようとしている人たちがいるんだなということを知ることができました。

コピペ・無断転載 ダメ ゼッタイ。

 

まとめ

研究とはエンターテインメント、これが私の主張である。なにより研究している本人が一番ノリノリで興奮しているのだ。さらに、同志もいると、偉大な謎の前に、ああだこうだ考えながら、議論を交わす「プロセス」と、「結果」の面白さが、そこにはあるのだ。

「研究とはエンターテインメント」。かっこよすぎるぜ!!

この本で紹介している論文のようにきちんとした研究をするにはそれなりの知識が必要ですし、何か調べるなら調べる方法を知らなくてはいけません。

私は義務教育・高校を経て大学まできたわけですが、まだまだ基礎を学んでいるに過ぎないんだなと思いました。

いままで「卒論書きたくない!」って思ってたけど、卒論はレポートとちがってれっきとした論文。

どうせ書かなきゃいけないなら、ちょっとすごいの書いてやろうかな!

・・・な~んて思わせてくれる本でした笑

この本を紹介してくださったK先生、ありがとうございます!!

 

最後に、私がこの『ヘンな論文』で一番好きな一行を。

珍論文には、役割がないかわりに、純度の高い情熱が詰まっている。

役割ないんかい!!!!笑

That’s ALL!

 

▽今回紹介した本はこちら▽

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